デンマークは、北欧に位置し、首都はコペンハーゲンです。
さて、デンマークといえばどんな事を思い浮かべますか?
日本でお馴染みのLEGOという玩具もデンマークの会社なんです。
やはり、一番に思いつくのが福祉国家ではないでしょうか!
デンマーク=福祉国家であることは間違いない事実です。
しかし、近年福祉国家であるデンマークに異変が起きてきています。
何が原因で、デンマークの福祉は崩壊しかけているのでしょうか?
その辺りを今回、紹介していきます!
目次
デンマークの現状
デンマークの福祉が崩壊していっているという事の前に、デンマークの現状を確認してみましょう!
デンマークの基礎的データは、外務省のホームページが一番分かりやすいのでこちらをご覧ください!
・日本でいう消費税にあたる付加価値税(VAT)25%
・税金の国民負担率約70%(日本では、約40%)
・医療費は税金で賄われるため基本、無料(歯科等、一部自費な部分もある)
・出産費用は、全て無料
・育児制度も手当などがかなり充実している
・世界平和度ランキング第5位
・世界幸福度ランキング第2位
・グローバル年金指数ランキング第2位(年金制度の充実)
これが、デンマークが福祉国家と言われる現状です!
まさに、『ゆりかごから墓場まで』という言葉がピッタリですね。
では、なぜデンマークの福祉は崩壊しかけているのでしょうか?
デンマークの福祉が崩壊しかけている理由とは?
上記のようなデンマークの現状を聞けば、デンマークに住んでみたいと思う方もいるのでは、ないでしょうか?
しかし、いい事ばかりではないのが現状なんです!
・デンマークの福祉のほとんどは、税金で賄われる!
・納税者の年齢が高齢化していき財政負担が重荷となっている!
・最近の政治的な政策では、緊縮財政が進んでいる!
その結果……
福祉サービスの低下を招いている!!
これが、デンマークの福祉が崩壊しかけている理由です!
高齢化が進んでいるのが最大の原因といわれています。
日本と似た構造ではあるのですが、日本はよく少子高齢化社会と言われますが、デンマークは少子化ではないのです。
下の表を見ればわかります。
年代 | 出生率(人) |
2000年 | 1.77 |
2010年 | 1.87 |
2017年 | 1.75 |
2018年 | 1.76 |
2019年 | 1.76 |
デンマークでは、出生率はほとんど変わっていませんが、1人の女性が一生の間に産むとされる子供の数の水準は非常に高いといえます。
実は、日本の出生率も変わらないです。
日本の出生率
年代 | 出生率(人) |
2000年 | 1.36 |
2019年 | 1.36 |
デンマークの全体の人口は約581万人(2019年)
デンマークの人口構成比
人口構成比 | 0歳~14歳 | 17% |
15歳~24歳 | 13.1% | |
25歳~64歳 | 51.6% | |
65歳以上 | 18.4% |
日本の人口構成比
日本に比べば高齢化は進んでいませんが、デンマークでも確実に高齢化が進んでいます!
人口構成比 | 0歳~14歳 | 13.2% |
15歳~24歳 | 9.7% | |
25歳~64歳 | 51.3% | |
65歳以上 | 25.8% |
今回は、デンマークの高齢化の話なんで日本の事にあまり触れませんが、いかに日本が少子高齢化していっているのがわかるデータになっています。
高齢化が進んでいくと、働いている現役の世代が少なくなり人手不足という問題がでてきます。
人手不足も、福祉サービスの低下を招く原因となっています。
ちなみに、デンマークの男女の平均寿命は81歳ぐらいです。
デンマークの福祉が崩壊しかけている事例とは?
現状、デンマークの福祉が完全に崩壊しているという事はありません。
しかし、少しづつ崩壊しかけている出来事が起こっています。
その事例をいくつか紹介します。
①国営病院の約4分の1が閉鎖に追い込まれている。
②無料で受ける事ができる医療に対する信頼度落ちており、20年前には民間の医療保険の加入率は3%程度だったのが現在は30%以上が加入するようになった現状がある。
③国立学校の5分の1が閉鎖に追い込まれている。
④年金支給開始は65歳からですが、2019年から2022年かけて開始が67歳になる。
⑤2030年からは、68歳からの支給になる。(平均余命に合わせて開始時期の変更有)
⑥年金受給の開始年齢が遅れる事になり、日本と同様に高齢者の労働就業が増える。
これが、デンマークの福祉の現実です。
少しづつですが、崩壊していっています。
いきなり崩壊ってことはないですが、やはり税金でも賄われる部分が多いのでその税金を納める納税者が高齢化していくと、必然的に福祉のサービスは低下していくのではないでしょうか?