フィンランドへの移住の前に知っておくべき医療費事情

医療

 

医療や福祉では手厚いという評判の北欧諸国ですが、実際に体験したという人は少ないかもしれません。

そこで、今回は北欧諸国の中でもフィンランドの医療費について見ていきたいと思います。

フィンランドの医療事情

日本の外務省のデータでもフィンランドは医療水準も高く、医療施設も清潔でよく整備されていて、医療事情が悪い旧ソ連邦の近隣諸国からは緊急搬送先にもなっているそうで、英語がほぼ完全に通じて、安心して治療を受けることができると位置づけています。

また、フィンランドでは国民皆保険制度が維持されていて、市民であれば誰でも低額で公的な医療機関を受診することができ、外国人でも現地に1年以上住み続けていれば「Kela Kortti」と呼ばれる健康保険カードが発行され、市民と同様の医療サービスを受けることができます。

公的な医療機関としては、地域ごとに医療センターが整備されていて、必要に応じて総合病院や大学病院を紹介されますが、医療環境が整備されているとは言え、地域の医療センターには患者が殺到し、診療を受けるまでに数時間かかることも多くあるため、中流階級以上の人たちは、割高でも予約制で待ち時間が少ない私立病院を利用することが多いそうです。

しかし、外国人旅行者や滞在が1年に満たない短期滞在者の場合は、基本的に全額私費診療となり、フィンランドの医療費は高額なので、受診するとなるとかなり高額の治療費を請求されることを覚悟しなければなりません。

そうならないためにも、外国人旅行者や短期滞在者は、海外旅行傷害保険へ加入しておくことをおススメします。

その他、緊急時の場合でも日本の119番にあたる電話番号「112」があり、英語も通じる上にどんな電話からもつながるので安心ですし、フィンランドは医療分業も進んでいて、医師の処方箋で薬を購入することができる薬局は、夜間も開いており薬を購入することができると紹介されています。

と…ここまで聞いていると日本とあまり変わりない医療環境で、フィンランドへのロングステイ(1年以上)や海外移住をしても、比較的安心だと思えてきますが、実際のところはそう甘いものじゃないようです。

 

 

 

フィンランドでは病院に行くのも大変?

北欧諸国では医療費がタダというような話もよく耳にしますが、フィンランドの場合、タダなのは18歳未満の子供だけで一般の治療は有料だとか。

フィンランド在住の藤原斗希子さんの話によると、フィンランドでは一人当たりの年間医療費が決まっていて、公的病院を利用するときは定額の支払いだけで済むものの、手術などで高額な医療費がかかり、年間の医療費を超えた場合は翌年の年末調整で税金として徴収されるということです。

反対に特に大きな病気もせず公的病院の利用が無い場合は、他の公的サービス利用分や収入などに応じて税金として還付される仕組みになっているそうで、出産や手術などをしても、その場では無料であったり定額で済むということだけを見て、フィンランドの医療はタダだと勘違いされる原因のひとつになっていると言います。

そして、公的病院は18歳未満が無料で私立病院に比べて確かに安く利用できるものの、最初に行く医療センターも予約制になっていて、この予約を取るのが大変だとか。

病状や地域によって多少の差異はあるものの、取れた予約は平均して数ヶ月後になるのが普通という。

藤原さんが歯科を受診するために医療センターに予約を取るための電話を入れたところ、予約を取るというだけで「16人待ち」という状況で、留守電に自分の連絡先を残して折り返しの電話を待ったそうだが、数時間後に電話をもらって取れた最短予約日が2ヶ月後だったというからスゴイ!

そのうえ、この予約をキャンセルすると、キャンセル料を支払わなければならないというし、予約日に医療センターへ行っても、診察を受けるには何時間も待たされると言います。

では、救急のときや急に歯が痛くなったり、大怪我をするなど緊急を要する症状のときはどうするのか?と言うと、私立病院に行かねばならなくなるそうです。

また、外国人旅行者は公的病院にはかかれないので、必然的に私立病院で診てもらうことになるそうです。

ただ、この私立病院は民間企業が運営する病院で、国民健康保険で多少はカバーできるそうですが、予約を取るのも有料なうえに診察代や手術代は大変高額だそうです。

良い点というのは、予約がすぐに取れるということと、医師を指名(指定)できるという点だと言いますが、予約料や高額な診療費がかかることを考えると当たり前のような気がしますよね!

医療環境は整っていても…

医療設備や保険制度など医療環境が整っているという割には、日本人から見るとちょっと異常な感じがしますが、その背景には日本と同じく少子高齢化に悩むフィンランドのお国事情があるようです。

日本同様、フィンランドでも少子高齢化は進んでおり、医療費の削減というのが国の必須課題となっているそうで、症状にもよりますが、軽症だと診断するとレントゲンや超音波エコーなど余計な検査は行わず、総合病院や大学病院などへの紹介も極力避けて、医療センターの処方箋による投薬治療での自宅療養が推奨されているようです。

当然、入院についても極力させないようにしたり、入院を要する場合でも短期で退院させるようにしていると言いますから、フィンランドの医療費削減に対する並々ならぬ意欲が垣間見えますね。

加えて、フィンランドでは慢性的なドクターや看護師不足が続いていて、公的病院と私立病院を掛け持ちしているドクターも多いと言われていますし、6月から8月のサマーバケーションやクリスマス時期になると長期の休暇を取る人たちも多くいて、更なる人で不足から普段にも増して公的病院の予約は取りにくくなると言います。

こうして見ると、先進国並みの医療水準を持ち、医療設備も整っているとは言え、日本と比べると少し恐ろしくなりますし、フィンランドに移住しても病気にはなれないと思ってしまいますね。

以前、フィンランドが注目され、テレビなどでも風光明媚で福祉や医療が整った理想郷のように言われたことがありましたが、実際のところは、やはり住んでいる人にしかわからないということです。

移住を考えるとき、物価や治安について調べることも必要ですが、人間歳を取れば健康にも陰りが出てきますし、医療費という点も重要な項目ですから、しっかり現地の事情をチェックしておきましょう!

 

*フィンランドの関連記事はこちら!⇒【フィンランドで英語は通じるの?

タイトルとURLをコピーしました