海外に移住するときはもちろん、ワーキングホリデーや海外勤務で外国で生活するようになったときに、その国で恥をかいたり、嫌われたりしないための秘訣はというと…
それは、その国のマナーを守ることです。
特に、コミュニケーションを取ろうとするときに一番多いのが食事をする機会です。
ですから、生活するようになった国の食事のマナーを事前に調べておくことは、とても大切なことだと言えます。
今回は日本人が誰でも知っている国なのに、その食事についてやマナーはあまり知られていないインドネシアにスポットを当てて「インドネシアの食事のマナー」について見ていきましょう。
目次
インドネシアの食事マナーを知る前に料理について見てみよう
正式名称・インドネシア共和国は、およそ300もの民族からなる多民族国家で、世界第4位の2億5500万人の人口を誇る国ですが、その9割がイスラム教徒という事情から、インドネシアの料理や食事のマナーにもイスラム教の戒律が強く影響しています。
インドネシアの料理は多民族国家らしく、ジャワ料理、バリ料理、スンダ料理、パダン料理、マカッサル料理、マナド料理、バタク料理と各民族を代表する料理があり、香辛料の使い方や味付けも様々ありますが、これらを総称してインドネシア料理と言われています。
さらに、国民の9割を占めるイスラム教は「豚を食べること」と「アルコール」を禁じていますが、そのような戒律に適した食事である「ハラル食(豚肉やアルコールを含んでいない食事)」が基本で、インドネシア政府も流通する食品には「ハラル認証」を受けるように義務付けています。
ただ、同じ国であってもバリ島などに多いヒンドゥー教徒は、イスラム教徒と同様に不浄とされる豚肉は食べませんが、牛も神様の乗り物で神聖な動物だと考えられているため、牛肉を食べることを忌避するといいますから、これを見てもインドネシアが多民族国家ということがわかりますね!
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インドネシアの主食は?
インドネシア人の主食は米で、これは私たち日本人と共通している点のひとつです。
インドネシアでもパンや麺類は広く普及していて、若い人たちの食の嗜好が変わりつつある事情は世界共通ですが、多くの人たちは「やはり米を食べないと力が出ない」と言って、1日1回は必ず米を食べるという習慣は根強いようです。
そのためか、インドネシアのマクドナルドやケンタッキーには、ごはんのメニューがあって、セットもアメリカや日本のようにポテトではなくごはんがセットに付くといいます。
その他、イスラム教で飲酒が禁じられていることもあり、食事中にお酒を飲むことはありませんが、その代わりにジュースや炭酸飲料、アイスティーなどの甘い飲み物を食前や食事中に飲む人が多いともいわれています。
インドネシアの食事マナーは日本と大違い!
日本人の食事は箸を使って食べますが、インドネシアでは「手食」の文化が根付いたこともあって、食事を手で食べるというのは普通です。
特にパダン料理では手を使って食べることが多くあります。
現代では、右手にスプーン、左手にはフォークを持って食事をしますが、大皿におかずを盛って、テーブルか床にマットを敷いてその上に置き、各自好きなものを自分の皿に取って食べます。
中華料理店や麺料理のお店では、日本同様、箸を使って食べるのが一般的ですが、スプーンで麺を食べる人も多くいて、スプーンで麺をひと口大に切ってから食べていますし、スプーンで食べやすいように最初から面を短くカットしているお店もあります。
そして、日本ではご飯茶碗などを口元に持って行かず、テーブルに置いたまま食べると行儀が悪いと注意されますが、インドネシアは反対にお皿や食器を持ち上げて食べる行為はマナー違反となりますので注意しましょう!
さらに、これは日本に限らず世界共通ですが、音を立ててスープを飲んだり、食事をすることはもちろん、スプーンやフォークの音を立てて食事をすることもマナー違反となります。
とは言っても、食器を持って食べる習慣が身に付いた日本人にとっては、テーブルに食器を置いたまま食べるというのは、こぼしてしまいそうでもありますし、違和感もあって食べにくいだろうと思います。
しかし、これも現地の大切なマナーですので早く慣れるようにしましょう!
手食について
手食の時に使うのは必ず右手で、諸説はあるものの、基本的に左手は「不浄の手」とされるため、左手を使うことは禁じられます。
ただし、手を使うと言っても、手のひら全体で握って食べるというのではありません!
右手の中指と人差し指、そして親指を器用に使って、スプーンのようにすくったり、食材を寄せたり、つまむようにして食べます。
そのため、食卓にはフィンガーボールという右手を洗うための器が用意されていて、食事の時にはフィンガーボールで右手の指先をきれいに洗いながら食事をします。
この時も、お皿や食器を持ち上げて食べると、行儀が悪いとされますので気をつけましょうね!
インドネシアではラマダンへの気遣いも食事マナーのひとつ!
イスラム教では大切な宗教行事として1年に一度、1ヶ月ほどの「ラマダン」という断食の時期があります。
ラマダンの期間中は、基本的に日没の時間帯にのみ食事ができて、それ以外は水を飲むことすらも許されないという宗教行事です。
しかし、現代では体調のことも考慮して、ラマダンのやり方については個人に委ねるといった傾向にはあるようですが、ラマダンの時期には断食中のイスラム教徒の前で食事をするというのは控えておくのがマナーといわれます。
食事以外にも知っておくと良いインドネシアでのマナーについて
イスラム教では、左手はお手洗いの時使う手なので「不浄の手」とされていますが、食事だけに限らず物を受け取ったり渡したり、お金を支払ったりするときも使わないようにしましょう。
ましてや、左手での握手などはもっての外です!
インドネシアでは握手が一般的な挨拶の仕方ですが、「右手」で握手をしたらすぐに手を放すのではなく、しっかり相手の目を見て、10~15秒ほど握手をしてから、少し目線を下げてお辞儀をするのがマナーです。
また、イスラム教では、豚と同じく犬も不浄の獣として扱われているため、犬を触った手でイスラム教徒に直に触れるという行為は避けた方が無難です。
ペットとして犬を飼うことが当たり前になっている日本人には、犬を触った後で無意識に相手に触れてしまうということもありがちですから、特に気を付けるようにした方が良いマナーのひとつかもしれません。
以上のように、インドネシアでは国民の大多数を占めているイスラム教の教義や戒律がマナーの基本となっていますので、イスラム教の概略だけでも事前に勉強しておくと良いでしょう。
日本で食べるインドネシア料理
最後にインドネシアの料理を食べてみたいという人に、日本での人気店を紹介しておきましょう。
東京【チャオバンブー(Chao! bamboo)】東京都渋谷区神宮前6-6-1-5 ☎ 03-5466-4787
東京【ユアンテラス】東京都渋谷区桜丘町20-12 Le Quaritier桜丘1F ☎ 03-5458-9099
大阪【ウブドスチ】大阪市中央区西心斎橋1-9-30 ホテルマイステイズ心斎橋1F ☎ 06-6243-3378
大阪【アパカバール】大阪市北区大淀南1-6-16 ☎ 06-6454-2609
福岡【ワークカフェ ターテ】福岡市中央区警固2-18-13-2F ☎ 050-5461-9261
…ちなみに、これらのお店は「手食」ではありませんので、ご注意を♪
*インドネシアの関連記事はこちら!⇒【インドネシアの住みやすさを違う視点で紹介します!!】